おすすめ絵本
5歳、2歳、1歳児さん
こどもえん つくし
園長 甲斐 弘美 先生
子どもたちは絵本をよく「見て」います。例えば、大人には分からない絵の変化に気がついたり、物語や登場人物に子どもなりの捉え方や思いを抱いたりします。1冊の絵本から相手の心を察して思いやることを知ると、子ども同士は距離をぐっと縮めて温かく素晴らしい関係を築きます。絵本を通して、たくさんの笑顔に出会えるでしょう。
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おすすめの絵本
『おこだでませんように』(5歳児に)
『おこだでませんように』 作:くすのき しげのり 絵:石井 聖岳 出版社:小学館
- あらすじ
- 家でも学校でも怒られてばかりいる男の子が、小学校に入学して習ったひらがなで七夕の短冊に心を込めて書いた願い-「おこだでませんように」。
- おすすめの理由
- くすのき先生の絵本は、作品同士がつながっていて相関図もあります。読み聞かせの後に「この子は大人になったら警察官になって、一人で遊んでいる子とキャッチボールをしてあげるんだよ」と話すと、さらに興味をもってくれます。
保育士は子どもの人格づくりをお手伝いする仕事。そのためにも、一度は手にとってもらいたい絵本です。
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おすすめの絵本
『でんしゃにのって』(2歳児に)
『でんしゃにのって』 作:とよた かずひこ 出版社:アリス館
- あらすじ
- うららちゃんは、一人で電車に乗っておばあちゃんに会いに行きます。ガタゴトーと走る電車に次々と乗り込んできたのは、わにさん、ぞうさん、うさぎさん…。
- おすすめの理由
- 座席を譲り合ったり、満員だからってお膝の上に座る動物たち。ヘビさんが座った場所って…ナイス!
うららちゃんを待つおばあちゃんや助けてくれる動物たちがいるように「一人で頑張ることはない。甘えていいんだ!」と、感じてもらえるといいな♪
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おすすめの絵本
『しろくまちゃんのほっとけーき』(1歳児に)
『しろくまちゃんのほっとけーき』 作:わかやま けん 出版社:こぐま社
- あらすじ
- しろくまちゃんがお母さんとホットケーキをつくり、お友達と食べて、片付けるまでのお話です。
- おすすめの理由
- 調理器具を並べてつくる楽しさ、焼けるまでのワクワクする気持ち、おいしさを友達と共有する喜び、上手にできたことを褒めてもらう嬉しさ…と、子どもが好きになる理由がたくさん詰まっています。
この絵本を読んだ方、場面ごとにしろくまちゃんの服が変わっていることに気づきました? 大人は文字に目がいきがちですが、子どもは絵に集中するからすぐ気づきますよ!
- 読み聞かせのポイント
私はしっかり間をとって、絵が味わえるようにゆっくり読みます。5歳児には絵だけではなく文字も見てもらいます。1、2歳児は絵本を近づけて絵がよく見えるようにします。読み終わった後は、上の写真のように表紙と裏表紙を子ども側に向けて机の上に立てて置くことを心がけています。読んだ絵本を記憶に残してもらうためです。